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2015.09.21

照明計画!

今回は「照明」のお話です。以前ブログでもお話ししましたがリフォーム工事をいただいたお客様に何か+αのご提案が出来ないかと考え、今年、ライティングコーディネーターという資格を取りました。照明はただお部屋を明るくするだけではなく、生活に潤いを与え、快適な住まいづくりを手助けしてくれます!


まず照明の前に目のメカニズムについて。人間の目は常に適切な明るさで物を見ようとする機能が働き、虹彩(瞳孔)が閉じたり開いたりします。ですから1000ルクスの時はその明るさで最適な見え方、10ルクスの時はその明るさで最適な見え方、というように常に調整し続けています。昔からいわれる「暗い所で本を読むと目が悪くなる」というのも医学的には根拠がなく、逆に、少し暗めの中で読書をする方が目が安息し、医学的には良いとされています。日本人が諸外国と比べて眼鏡をする人が多いのは、日常生活で明るさを高め過ぎているのかもしれませんね。ちなみにルクス(lx)とは照度の単位で、照らされる「面の明るさ」の事です。一般には明るさの指標として用いられますが照度が高ければ明るく、低ければ暗いというわけではないんです。



上の実験は、集光型150Wタイプのダウンライト4台と散光型60Wタイプのダウンライト8台を点灯させた時の比較です。左は床に光が集まり照度は高いのですが、照度の低い右のほうが明るく感じますよね。これは人間の視野に関係が深く、人の目は水平面(天井、床)よりも鉛直面(壁)の方が目に見えやすいからなんです。という事は、明るく感じさせて、作業面に対しては照度を確保する考え方を用いれば、少ないランプで効率よく照明が計画できますよね!まさにエコ!



次に心理的な部分を考えてみます。古代より人間は、太陽(自然光)と共に生活をしています。上の図のように、1日の光の変化に合わせて、行動も変化している事が基本としてあります。太陽が真上にある時は青空が広がり活動的ですが、日が沈み始める夕暮れ時は、オレンジの空にリラックスしますよね。まさに照明も同じ。お家の中で活動、仕事をする場所(キッチン、洗面所等)は昼白色の蛍光灯。安らぎ、憩いの場(リビング、寝室等)では色温度の高い白熱灯といった感じになりますよね。

ここで、最近完成しましたマンションの現場をご紹介します。家族団らんの憩いの場、LDKの照明計画です。

天井を照らす間接照明、メイン照明のペンダントライト、壁付けのブラケットライトをそれぞれ設置しました。ご家族みなさんが集まる時は全ての照明をつけます。何だかゴージャスですね。

夕食が終わり、ちょっとまったりしたい時には、間接照明の明りを落としてこんな感じはいかがでしょうか・・・

何か作業をされる時には間接照明を昼白色に切り替え!何だかスッキリと明るく、活動的な感じで作業もはかどりそうですね。

いかがだったでしょうか?照明の明るさや色温度で同じお部屋でも雰囲気が全く変わりますよね。実用性はもちろん大事ですが、こんな感じでお部屋を演出するのも照明の楽しさの一つです。さて省エネ時代の現代において、照明業界も激変の時期を迎えているようです。住宅で使用される全電力量に対する照明電力量の割合は30%となっており、白熱灯、蛍光灯に変わりLEDの台頭がめざましいですよね。照明もIT化が加速しており、調光はもちろん、照明の色も電球色から蛍光色まで自由自在に変わり、スイッチもワイヤレスになってきています。照明のスイッチ配線がいらなくなる分、照明リフォームの自由度も格段に上がっていくでしょう。ワイヤレスはまだ一般には普及していませんがもうそこまで来ています。白熱灯が無くなるのはさみしいですがなんだかわくわくしますね!皆さんもお部屋のリフォームの際、照明にも気を配ってみてはいかがでしょうか?