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2022.06.09
無垢フローリングのメンテナンス
今回は無垢フローリングのメンテナンスについてのお話です。このブログでも何回かテーマにしました無垢フローリング。使い込むほどに味わいが増していき、また調湿や断熱機能、脱臭効果など住環境にもやさしい事からベルズではたくさんの方々にお勧めしています。事務所兼自宅のBELLSハウスも床は全て松の無垢フローリングですが、新築から3年が経ち、部屋ごとに変化の違いが出てきました。
写真は新築当時の2階リビングの様子です。松のフローリングですが、無塗装仕上げなので表面はサラッとした質感です。
こちらは3年経った現在の様子です。明らかに新築時とは違いますよね。内覧に来られた方がびっくりされるのですが、ワックスがけをしているわけではなく3年間ノーメンテナンスでこうなったんです。色に深みが出てきて木目もキレイですね。表面もツヤっぽくなってきました。(よーく見るとキズだらけなんですが・・・)リビングは家の中で家族が集まる場所です。寝っ転がったり、ストレッチをしたり、ワンコたちとたわむれたりと。そんな毎日の生活による人の身体の皮脂などが適度に吸い込んで床が潤っていき、自然とワックスをかけたような感じになります。基本的にノーメンテでキレイですし、梅雨時期の今もサラサラでとても気持ちいいです。このような事からお客様には、「無垢フローリングは本格的なワックスかけをしなくても大丈夫ですよ。」とお伝えしています。気になる箇所があれば水拭きしても大丈夫ですし、ほこりが溜まれば掃除機をかければOKです。
ところが我が家にはワンコが2匹いて、朝夕1日2回散歩に出かけます。散歩から帰ってくると玄関前で足をふいてから家の中に入れるのですが、玄関~廊下は人が通り抜けるだけですのでリビングほどワックスのかかった状態にはなっていません。そこにきてワンコが濡れた足で駆け上がっていくので、玄関前の床がどうしても汚れてしまいます。そこで今回汚れの気になる玄関~廊下とそれに続く階段部分に限定してメンテナンスを行う事にしました。
日本で生まれた自然塗料のひとつに「キヌカ」という製品があります。 石川県の日本キヌカ株式会社さんが販売していて、なんと”お米”を主原料に作られています。キヌカの名前には、絹のような柔らかな風合いに変化させるという意味の「絹化」と、木と糠を融合させた「木糠」の2つの意味が込められているそうです。日本では欠かせない白いご飯。ご飯を炊くためのお米を精米するときにできるのが米糠です。昔の日本では、よく米糠を袋に入れて、床や家具を磨いていました。 こうすることで、木材にツヤが出て長持ちするということを知っていたのですね。キヌカは、そんな生活の知恵として伝えられてきた米糠の特性を活かした塗料です。
塗るのはとても簡単です。別容器にキヌカを入れてウェス(布切れでOKです)を浸します。そのウェスをギュッと絞って床に塗っていくだけです。お子様が舐めても人体に害がない(もちろんワンコも)と言われていますから安心してお使いいただけます。キヌカは通常自然塗料でも15%ほど使用しているという溶剤を一切使用していないため、塗装時も換気に注意する必要はありません。また、塗装後も無臭です。ドロッとした液体でよく伸びますのですいすいとリズムよく塗っていきます。ポイントは最初に壁際(巾木まわり)から隙間なく塗っていき、後から残った平面まで塗料を伸ばしていきます。ベタベタにならないようよく伸ばして1度塗りでOKです。
写真は施工前の様子です。事前に汚れは落としていますのでキレイですね。愛犬ロクが気になって出てきました(笑)
こちらが施工後です。キヌカは無色透明ですが、松フローリングは赤身が強いので油を吸って色がワントーン濃くなりました。塗った後4~5日程度は少し滑りやすくなりますが、10日程度経つと、塗ったことが全く気にならなくなります。完全乾燥するには1か月くらいかかるようです。
こちらは階段の写真です。塗分けた境界がよく分かりますね。ただこれも時間の経過とともに油分が抜けていくと気にならなくなってきます。
今回は無垢フローリングのメンテナンスという事でお話してきました。BELLSハウスでは玄関から廊下、各部屋、水まわりに至るまで全て松の無垢フローリングを貼っていますが、今のところ問題ありません。「水まわりに無垢を貼って大丈夫なの?」なんてご質問をよくいただきますがキッチンなんかは、お料理の時の油の飛び跳ね等でかえって床面に膜がはり、リビングよりもしっとりとして水をよくはじきます。おトイレも汚れを気にして使っているという事はありますが問題ありません。また無垢フローリング特有の黒ずみや水染みが気になる場合は、お酢を雑巾に浸してゴシゴシこするときれいになります。酢は弱酸性なのでアルカリ性の汚れを落とすのに効果的です。ただ床を張り替えた当初こそ黒ずみや水染みが気になりますが、時間の経過とともに馴染んでくるものです。
いかがでしたでしょうか。無垢フローリングは基本的にノーメンテで大丈夫です。ただ今回の玄関のようにどうしても気になる箇所があるようであれば、ご紹介しました方法でお手入れしてみて下さい。より一層愛着のあるお家になるかと思います。