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2017.02.09
在来工法の浴室計画!
浴室のリフォームといえばまずはシステムバスが頭に思い浮かびますよね。以前もこのブログでお話しさせていただきましたが安全性や施工性の良さに加えて最近では内装のバリエーション、設備機器の充実、断熱性能の向上など目を見張るものがあります。只今手がけている案件はそういった住宅設備メーカーが販売している既製品のシステムバスではなく在来工法で作る浴室のリフォームです。
在来工法とは現場で大工さんが天井や壁を作り、タイル職人がタイルや石を貼って仕上げるといった完全特注品の浴室を作る工法です。一から作りこんでいく為、システムバスに比べると多くの職人が関わり工期も費用もかかりますが大きさなどの規格は無く、デザインの自由度も高いので世界に一つだけのお風呂を作ることができます。
今回の現場は既製品のシステムバスには無い規格外の大きさの浴室です。一般の木造住宅ですがなんと9畳の広さのお風呂を作ります!ちょっとしたリビング位の大きさですよね。ご依頼をいただきましたお施主様は大のお風呂好きでお休みの日はよく銭湯に行かれるそうなんですが「自宅でも大浴場の雰囲気を味わいたい!」そんなご主人様の夢の実現のお手伝いをさせていただく事になりました
何とこの洋室をお風呂にしちゃいます!
浴室の設計で一番気を使うところが防水です。システムバスがこれだけ普及したのにはこの防水性能が挙げられます。漏水によって建物の構造体まで水がまわっては大変です。完成後には隠れてしまう部分ですがお家の耐震性や寿命にもかかわってきますので設計はもちろんですが、工事中にも細心の注意を払わなければいけません。
次に断熱性や安全性が求められます。浴室は全裸になる場所ですので浴室内の事故には十分な配慮が必要です。手摺の設置や滑りずらい床材の選択、また温度差によるヒートショック現象も考慮し脱衣所に暖房を設置し温度差を無くすなどのやり方もあります。
浴槽や洗い場カウンターの高さも注意が必要です。洗い場から浴槽に入るときにまたぎやすい高さはいくつなのか?浴槽の深さはどれくらいが良いのか?洗い場カウンターの有無、高さは?システムバス選定の際にはほとんど話に上がらないポイントが在来浴室の設計には重要になってきます。
お部屋の中にある物の高さ関係などは一通り頭に入っていますが浴室内のこれらの高さはメジャー片手に改めて自宅の浴室で検証です。浴槽の高さはどっぷり肩までつかって温まりたいのか?浅めの高さでリラックスしたいのか?最終的にはお施主様の判断となりますがこのあたりの寸法も十分検討したいところです。
最後にデザインです。在来工法の醍醐味は何といっても自由なデザインにつきます。浴槽はもちろん、床・壁・天井等、窓の大きさから位置まで。素材もタイルや大理石、ヒノキ材等をはじめ様々な素材を選ぶことが出来ます。ただシステムバスのようにカタログで完成後の写真を確認することが出来ませんのでイメージパースをお作りするのはもちろんですが使用する石材やタイルなどの現物サンプルを見ていただいたりしてお客様とイメージを共有する事が重要になってきます。浴室は体を洗うだけではなく、一日の疲れを癒す空間でもありますのでご家族みなさんが楽しく、リラックスできるような空間に仕上げたいですね。
いかがでしたでしょうか?普段なかなか手掛ける事の少ない在来浴室。その中でも今回は規格外の大きさ!お客様のご期待に応えられるよう全力で対応したいと思います。いよいよ来月から着工となりますが工事が始まりましたらまたこのブログでもご紹介したいと思います。お楽しみに!