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2016.10.03
リフォームか建て替えか?
以前お仕事をいただいたお客様からご相談を受けました。今お住まいのご自宅を全面的にリフォームするか、建て替えるか?ご自宅は築27,8年の木造住宅です。築20年を超えたあたりから出てくるお悩み相談ですがまずはご自宅の現状をしっかりと把握する事が重要です。築20年だからリフォーム、築30年以上だから建て替えと、単純に築年数だけを判断基準にするのは早計です。築30年以上経ったお宅でも日頃のメンテナンスが良ければリフォームで十分といったケースも多々あります。
まずは基礎や土台、柱などの構造躯体に始まり内外装の仕上げ、設備などの経年変化をしっかりと確認します。建物の耐震という点から考えると1981年(昭和56年)に新耐震設計基準ができましたので、それ以前に建てられた建物は大掛かりな耐震リフォームが必要になる場合があります。ただし多くの市町村で、この年代に建てられた建物は耐震工事の補助金制度がありますのでこちらを利用するとよいでしょう。また法的に建て替えが出来ない土地や、現状よりも小さな家しか建てられないケースがありますのでこちらも事前に確認が必要です。以上のように、まずはご自宅の現状をしっかりと確認する事です。耐震診断はもちろんですが、建物を総合的に調査する専門会社もあります。いずれにしても専門的な知識を持ったところに調査してもらう事が現状確認の第一歩となります。
次にリフォームと建て替えのそれぞれのメリット、デメリットを考えます。まずリフォームのメリットですが何と言っても新築よりも割安で済むというところです。使える部分は再利用しますし、解体や廃材処分費用も新築に比べかかりません。住みながらの工事が可能であれば、引っ越しや仮住いの費用も不要です。デメリットは大きな間取り変更が困難であったりできたとしても費用がかさむ点です。プランによっては建て替えと変わらない位の費用がかかる場合も出てきます。
逆に建て替えの場合を考えます。メリットはプランや間取りの自由度です。それに加え耐震や断熱など最新の性能を備える事が出来ます。また敷地を最大限に生かしたお家が建てられるのも魅力です。デメリットはまだ使える部分も壊して新しくする為、リフォームよりも割高になるところです。引っ越しや仮住まいをはじめ、登記費用などもろもろ諸費用がかかり、総工事費がどうしても高くなってしまいます。
さてここまでお家の現状を確認し、リフォームと建て替えのメリットデメリットを考えてきましたが、最後は長期的な視野でご家族の今後の暮らしを考えてみる事です。お子さんの独立が迫っているなら子供部屋はどうするか、ご両親との同居、介護はどうするか、老後もそこに住み続けるのかなどご家族の将来設計により必要なお家の形態も変わりリフォームか建て替えかの選択も変わってきます。
これらを踏まえた上でリフォーム、建て替えの見積もりをそれぞれとって予算の比較検討をしてみましょう。重要なのは引っ越しや仮住い、税金などを含めた支出総額で比較する事です。一般的に費用対効果の面から考えてリフォームの工事費用が建て替え費用の70%位までに抑えられればリフォームをお勧めするケースが多いです。逆にオーバーするようであればリフォームの計画を見直すか建て替えを検討する方が良いかもしれません。ただこれはあくまで一般的な目安にすぎません。リフォームでも、やろうと思えばほとんどの希望は叶えられますが、大事なのはそこにかかる費用と得られる結果のバランスが納得できるかどうかという事です。
いかがだったでしょうか?リフォームするか?、建て替えるか?すぐには答えが出せない難しい問題です。現在のお家の状況、これからの生活設計、希望の間取りプラン、構造、土地の状況、ご予算などによって様々な答えがあります。リフォームか建て替えかのいずれにしてもお客様にとっては一生に何度もない大切なお買い物ですので自分としてもじっくりと腰を据えて検討したいテーマです。