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2016.01.16

キッチンの高さ

キッチンリフォームを検討される際、キッチンのレイアウトや作業動線、収納計画などがよく話題に上がりますが見落としがちなポイントでありながら大変重要な確認事項があります。キッチンの高さです。シンクの前で洗い物をしていると前かがみの姿勢に腰がしんどくなった、なんて経験された方も多いのではないでしょうか。今回は、このキッチンの高さについてのお話です。毎日使う場所であり、長時間の立ち仕事を少しでも快適にお過ごしいただけるようご自分に合ったキッチンの高さを考えてみましょう。

昔のキッチンカウンターは80cmの高さが多かったようですが最近のキッチンの標準高さは85cmが主流です。キッチンメーカーはシステムキッチンの高さを決める目安として身長÷2+5cmという計算式をよくカタログで紹介しています。例えば、身長160cmの方なら、160÷2+5cm=85cmとなります。プラニング中のお客様とよくショールームで打ち合わせをする機会があるのですがキッチンの高さを確認していただくと身長160cm位のお客様ですと90cm位の方が楽だとおっしゃいます。これはシンクで洗い物を想定した場合で、背中も腰も丸めずに作業できるからだという事です。さらに野菜を切ったり、粉をつけたりする作業スペースの高さも90cm位でよさそうなのですが力を必要とする作業の場合は85cm位のほうがいいかもとおっしゃていました。加熱機器部(コンロまわり)は、それより低い80cm以下の方がフライパンをふったり、中身を覗いたりするのに楽だという事でした。つまりキッチンの高さは作業の内容によって異なるという事です。

これらを踏まえると段差の多いキッチンになってしまいます。基本的にシステムキッチンはシンクからコンロまでフラット。ご予算に余裕のある方であればコンロの部分だけ高さを下げたオーダーキッチンにしたり最近ではシンク部分とコンロ部分が別々(Ⅱ型)のタイプも出ていますのでそれぞれ高さを変える事ができますね。とは言えオーダーキッチンやⅡ型のキッチンはちょっと高価。ではどう考えたらよいのでしょうか?

まず自分がキッチンでどんな動作が多いのか、普段どんな料理をすることが多いのかを考えます。すると作業の優先順位が見えてきますね。その高さを基準とします。例えば野菜を切ったりするスペースの高さを基準とした場合、高さ85cm位でちょうどいいんだけど洗い物をするにはちょっと低いかも。こんな時は思い切って食洗機を導入します。これにより洗い物に費やす時間が減り、ちょっと低めのカウンターでも気になりません。コンロに目を向けてみますとガスとIHでは高さが違います。IHは天板面がフラットですが、ガスの場合は五徳(バーナーの周りに設置するリング状の台)の高さだけ4~5cmカウンターより高くなりますのでコンロの高さを下げたい場合はIHを採用するのもいいかも。安全性やお手入れのしやすさもアップし一石二鳥です!

こんな感じで基準となる作業スペースの高さに合わせて他のスペースの高さも工夫して調整します。作業内容によって適正な高さは異なりますので優先順位を見極めキッチンの高さを決めていきます。あとは高さがちょっと高いなと感じたら足元にキッチンマットを敷いたり高さのあるスリッパ等を履いて調節します。逆に低い場合は厚みのある木のまな板を使うと姿勢が楽になりますね。一度交換したら10~20年と長く使っていただくキッチン。使い慣れている高さや、個人によって好みもあると思いますのでさまざまな角度から検証し、ベストポジションをみつけて下さい!