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2022.02.23

2階リビング

写真はBELLSハウス2階のLDKスペースです。1階には事務所がある為、必然的に2階が住居スペース(LDK)という間取りになりました。住み始めてからそろそろ3年が経とうとしていますが、今回は2階にリビングのある生活とはどんなものなのかお話したいと思います。

一昔前までは1階にリビング、2階には個室というのが当たり前でしたが、最近では2階にリビングを配置するお家も多く見かけるようになりましたね。2階リビングのメリットは何といても「日当たり」と「眺望」です!BELLSハウスは敷地の南東に視界が開けていて、吹抜けには明り取りの窓もつけているので、とにかく明るい!まわりは住宅街で、目の前の道路も交通量が多い立地ですが、1階よりも高さがある分、開放的で緑もたくさん見えます。空も少しだけ近く感じて(気のせい?)青い!夜には明り取りの窓から月が顔を出す事も。これが例えお家の立地条件が住宅密集地で、敷地の4面に隣家が建ち並んでいるような場合でも、2階リビングなら光を取り込みやすく、もし2階に大きな窓を設けられなくても、天井を高くして天窓や高窓を設置するなど、光を取り込む工夫がしやすい点も大きなメリットです。

2階リビングならではの屋根勾配の吹抜け天井。明るく開放的なだけではなく、変化に富んだ室内空間が楽しめます!


2つ目のメリットは「プライバシーが確保しやすい」という事です。BELLSハウスの目の前の道路は通称「学園通り」。海岸線から踏切を渡って国道1号線に抜けられる地元の方々の生活道路です。車の往来はもちろん、自転車で移動する方、ジョギングする方、犬の散歩の方など人通りもかなり多い通りです。お店を構えるにはもってこいの立地なのですが(笑)。そんな道路沿いなので1階がリビングですと外部からの視線が気になりなかなか落ち着きませんが、2階がリビングなら生活空間が高い位置にある分、視線を避けやすく、道路沿いでも落ち着いてゆったりとくつろぐ事が出来ます。

建物2階のコーナー出窓がLDK。道路に接近していますが、外からの視線を気にせずに生活できます。


3つ目は構造的なメリットです。木造住宅は地震や風の揺れを受けても建物が耐えられるように耐力壁という壁を設けますが、基本的に2階よりも1階の方が多く必要になります。人間ピラミッドをイメージしてみて下さい。一番下の土台はたくさんの人が踏ん張ってピラミッドを支えていますが、上に行くにつれて人の数は減っても安定しますよね。これと同じ理屈で1階リビングの場合、必要な壁量が多いため、開放的な空間をつくるには、壁配置を工夫しなければなりませんが、2階リビングなら必要な壁が少ないので無理なく大空間を作る事が出来ます。また、近年は、気候変動の影響による台風やゲリラ豪雨などで、床上浸水が増えています。2階リビングの場合、1階までの床上浸水であれば、2階で生活が維持できます。ハザードマップでの浸水予想が2メートル以上になる地域のお宅の場合は、2階リビングを検討してもいいかもしれませんね。

さて、いい事づくめに思える2階リビングですが、デメリットはあるのでしょうか?一番に言える事は「階段の昇り降りが多くなる」です。これは当然の事ですが、生活の場が2階になるので階段の昇り降りは避けては通れません。リビングでくつろいでいる時、ピンポ~ンと宅配便が来ると、階段を降りて玄関で荷物を受け取り再び階段を登り2階へ。買い物をして帰ってきた時、両手に買い物袋を持って2階のキッチンへ。更にウォーターサーバーの水タンク(20キロ)、ペレットストーブのペレット(10キロ)を運ぶのはもはや筋トレ!?ただ戸建てに住む前はマンション暮らしで毎日3階まで階段の昇り降りをしていましたし、日々の階段を健康の為の軽い運動位に考えられれば今のところはそこまで気になる事ではありません。一般的にこの「階段の昇り降り」は「将来的な老後の不安」としてよく挙げられますが、2階リビングが普及し始めたのはここ最近の話ですので、これからホームエレベーターや階段の昇降機などの進化がさらに加速して、もしかしたらデメリットではなくなる日が来るかもしれません。いずれにしても将来を見据えた計画は必要ですね。

次に「大型家電の搬入」です。我が家を考えた時、デメリットとして一番に挙げるのはむしろこの大型家電の搬入かもしれません。2階リビングの場合、TVやソファに加え、キッチンも2階にあれば冷蔵庫も必要になります。直線階段であればまだいいのですが、まわり階段の場合、壁や天井につっかえて搬入出来ないケースが多々ありますので注意が必要です。室内からの搬入が厳しい場合は、外からの搬入経路や重機の作業スペースの有無などを事前に確認しておく必要があります。我が家は新築の搬入時はクレーンで一括してバルコニーから運び入れました(涙)。


大型家電のサイズと階段の形状によっては搬入出来ない場合があるので事前の確認が必要。

ここからはBELLSハウスには当てはまりませんが、一般的によく言われるデメリットです。まずは子育て世代に多いですが、「子どもとのコミュニケーション」です。2階の大部分をリビングとして使用すると、その他の部屋を1階に割り当てることになります。この時、間取りによっては、1階の日当たりの悪い場所が子ども部屋になってしまうこともあります。そして、2階にリビングがあると1階の子ども部屋の様子が分かりにくかったり、お子さんが帰宅しても気づかなかったり、リビングに上がってくる機会が減ってしまったりする事も。2階リビングと子ども部屋の位置のバランスについては慎重に考えた方が良いかもしれません。BELLSハウスの各居室は全て2階で、必ずリビングを通る間取りになっています。
次に「夏は暑くなりやすい」事です。2階は1階よりも窓からの日射が入りやすかったり、屋根からの熱を直接受けますのでどうしても暑くなります。BELLSハウスでは、屋根断熱を強化したり、風の通り道を考慮した窓の配置で暑さ対策をしています。
最後に「1階の防犯」です。ドアや窓の鍵の閉め忘れなどで1階が無防備になっていたとしても、2階のリビングで過ごしていると気付きにくいですよね。その点BELLSハウスの1階は事務所として使っているので防犯面はいつも注意を払っています。

2階リビング、いかがでしたでしょうか?メリット、デメリットをご紹介してきましたが、正直言いまして、一番最初にお話ししました「日当たりと眺望」のメリットがあまりに大きいので、デメリットはさほど感じておりません。この「日当たりと眺望」の恩恵は、住宅密集地や狭小地であるほど大きいのかなと思います。逆に言うと、広い敷地で日当たりの良い立地では2階にリビングを持ってくる必要はありませんね。機会があれば1階リビングについてもお話したいと思いますが、お家の中心であるリビングが1階にあるのか2階にあるのかで日々の生活は大きく変わってくると思いますのでよ~く検討したいですね。それでも2階リビングおススメです!