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BELLS LETTER Vol.27発行しました!

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一年ぶりのご挨拶とお詫び

元号が令和となり世間は10連休という事ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。さてこのベルズレターですが昨年の5月以降、およそ1年の間、発行がストップしてしまいました。お客様からは「最近お手紙来ないけどどうしたの?」「お仕事辞めちゃったの?」などのご心配をお掛けしてしまいました。事前のお知らせ無しに大変申し訳ございませんでした。実はリフォーム会社を設立以来、長らく自宅の一室を事務所として営業してきましたが実店舗の必要性を感じつつ予てより打ち合わせスペースのある事務所に移ろうと考えていました。そんな矢先、昨年の1月にいい物件(土地)が見つかりそこに店舗兼住居を建てるという計画がトントン拍子に進んでいきました。新築の経験はありませんでしたがこの話が浮上して以来「自分の住む家は自分で建てたい!」という気持ちがふつふつと湧き出てきました。ただ普段受注している工事の片手間に新築工事を行えるほど簡単な事ではありませんし、何より同時に行うお客様からいただいた工事をきちっとこなせるかという危険性を強く感じていました。これが正しい判断なのかどうか悩み抜いた末、新築工事中は通常業務を一時停止して行う事に決めました。あとでお話しますが、今回購入した土地は地元の設備業者さんの資材置き場として使われていた場所で、電気、水道などのライフラインが一切なく、またお隣の敷地との間に高低差があり、土地の造成工事も必要でした。そんな外回りの工事が昨年6月から着工しました。建物本体の建築工事が始まったのは外回りの工事が終わった9月からでその頃から通常業務を停止させていただきました。その9月以降から今まで多くのお客様からのご相談がありましたが、ご希望に添えなかった事を心よりお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。

 

新築工事

資材置き場というよりは廃材処分場?ぱっと見、家を建てるというイメージが出来ないくらい荒れた敷地。

 

「皆様から頂いた時間を無駄にはできない!」「やるからには納得いくまでとことんやり抜く!」を胸にこの1年間休み無しで頑張ってきました。(大げさではなく本当です。)ここではそんな1年を振り返りざっと皆様に工事をご紹介したいと思います。まずは解体作業からです。先ほどもお話しましたが、敷地は地元の設備業者さんの資材置き場として使われていたところ。小さな倉庫が建っていてその周りには解体した便器や洗面台、コンクリートのガラが山積み。これらを解体処分します。その後お隣の敷地との法面を無くす為、RC擁壁(コンクリートの土留めの壁)を作ります。更に新たに電気、水道、ガスの引き込み、また敷地に建っている電柱移設の手配まで、家を建てる前にこれだけの準備が必要になります。通りに面したいい場所でしたが、こうした状況で長らく売れなかったようです。

 

地盤調査の結果、「柱状改良」と呼ばれる工法で地盤改良を行う事に。安定した地盤まで何十か所と穴を掘り、セメントミルクを流し込んで土を柱状に固めその上に建物の基礎を作ります。

 

解体作業後、更地になったら今度は地盤改良です。湘南はよく砂地だと言われますが、本当にサラッサラの砂状でびっくり!運動場の砂場をイメージしてもらえば分かりますが、擁壁工事の際、仮設の土留めの壁を作るのに大変苦労しました。続いて基礎工事です。基礎工事は施工以前に事前の計画が重要です。アンカーボルト(基礎と土台をつなぐ為の金具)をどこにいくつ入れるのかを検討します。建物の角はもちろん、耐震金具や筋交いが入っている箇所等、図面とにらめっこ。それらを現場の職人に伝え指示を出します。コンクリートを流し込む前までに、計画通りにアンカーボルトが設置されているかどうか、一本一本メジャーを片手に確認します。こうして無事に基礎工事を終え一定の養生期間(コンクリートが固まるまで時間をおく)をおいた後、いよいよ上棟をむかえます。近年木造住宅の骨組みは全て工場でプレカットされて現場に搬入されます。上棟の日は大工6~7人が集まりその骨組みを1日で立ち上げ家の形にする新築工事の一番の見せ場です。目の前の道路はそれなりに交通量があり、事前に警察に道路使用許可をとり、当日自分は交通整理にあたります。またスムーズに骨組みが組み上げられるように、朝一は1階の材料、10時に2階の材料、といった具合に3便に分けた材料を積んだトラックの搬入の段取りをするのも現場監督である自分の重要な仕事です。

 

道路側に停めたトラックから材料を引き上げ、電線の上を通して敷地内に搬入するというアクロバティックなクレーン技術にただただ感嘆!

 

さて無事に上棟を終えたところまでは良かったのですがそのあと悲劇が襲います。上棟したのは9月でしたが、昨年の9月はひどい秋雨で完全に晴れた日は上棟日を含めて2日だけ、あとは全て雨でした。その為屋根工事が思うように進まず防水シートは施工したものの、その上に正式な金属屋根が施工出来ず、雨がダダ漏れ状態。2階の床は水浸しでベニヤが水を吸って真っ黒に変色。屋根全体をブルーシートで覆い養生したものの完全に雨は防げず、床に溜まった水をひたすらスポンジで吸い取る毎日でした。大工工事も大幅に遅れ、今振り返ると現場の状況も精神的にもこの時期が一番しんどかったのを覚えています。(涙)ただ嘆いていても仕方ありません、歯を食いしばって前を向きます!10月になり徐々に天候が安定してきたところで窓の取り付けが始まりました。今までの遅れを取り戻すぞと言わんばかりに気が付けば自ら足場にのぼり、サッシまわりの防水テープを貼っていました。外壁の工事では一番重要な作業で窓まわりからの雨の侵入を防ぎます。また屋根工事の際も屋根に上り、特に天窓の施工時は現場に張り付いてきっちり指示を出し雨漏り対策に万全を期しました。自社施工ゆえ完成後、建物の瑕疵は誰も責任を取ってくれません。保険に入っていますが手直し工事をするのもまた自社となります。外壁・屋根が仕上がるまで気の抜けない作業が続きます。

 

高所恐怖症ですが頭にはヘルメット、腰には安全帯をつけ、すり足で移動しながら防水テープを貼っていきます。

 

そして建物でこだわった部分の一つが外壁です。杉板を縦に隙間を開けて貼り、その隙間の上に細い胴縁と言われる桟を貼って仕上げるやり方を採用しました。経年で木は伸縮を繰り返しますが、この隙間で吸収します。隙間は胴縁で隠れるので表面は変わりません。さらに部分的に張り替えが必要になった場合も簡単に出来、尚且つ表面にできた凹凸が見た目にもよく、一石二鳥!経年変化で赤身の木肌が徐々にシルバーグレーに変色していくのも楽しみの一つです!ちなみにこの杉板は2階部分で、1階部分はモルタルの素地仕上げです。通常モルタルは下地に使う材料、普通はこの上に塗装をかけたり、左官で仕上げたりしますが今回は下地のままの仕上げに。素朴で味のある外壁となりました。時間はかかりましたがようやく外回りの工事が完了しました。通りがかりの方が皆振り返り「いいお家だね~。」とほめて下さり笑みがこぼれます。気が付けば12月。悪夢だった9月が遠い昔のように感じられた瞬間でした。

 

隙間を開けて杉板を貼り、その隙間に胴縁を打って仕上げます。縦貼りは雨水の切れも良く、見た目もGOOD!

 

さぁ~外壁が終わり、いよいよ、本格的に室内の工事に取り掛かります。まず初めに断熱の工事です。今回はセルロースファイバーと言って古新聞などの木質繊維を主原料とした断熱材を採用しました。断熱材の性能としては普段使い慣れているグラスウールとさほど変わりませんが、吹付作業で行う為、隙間なく断熱材を敷き詰められるというメリットがあります。またセルロース自体に湿気を吸放出する特性があり内部結露を防ぐ効果もあります。室内がまる裸の状態でないとできない工法なだけに普段のリフォーム工事ではなかなか扱えず、今回は試験的に採用してみました。結果は大満足!断熱効果はもちろん、外からの騒音もかなり抑えられることが分かり、急遽、事務所の天井にも施工してもらいました。(事務所の上の生活音が気になり)

 

屋根裏、壁と、これでもかと言わんばかりにパンパンに膨れ上がるほど詰め込んでもらったセルロースファイバー。

 

断熱工事が終わると、いよいよ室内の仕上げ作業に入ります。室内工事は普段やりなれているリフォーム工事と変わらないからお手の物!とはいきません。室内のこだわりとして、今回既製品は一切使わないと決めました。出入口のドア、収納に始まり、水回りのキッチン、お風呂、洗面台と、全て自ら設計し手作りで仕上げる事としました。室内のコンセプトは「木のぬくもりが感じられる居心地の良い空間づくり!」です。外壁同様に時間が経つにつれ味わいの増す仕上げに。言うのは簡単ですが、実際は工期も遅れ気味で3月完成が微妙な状況。通常であれば工場で作られたキッチンや洗面台を現地で取り付けるだけで済むところが一から作らなければいけません。大工工事は天井、壁を仕上げている真っただ中、まだ家具を作る余裕はありません。全体の工期を考えると「今のままでは終わらない、家具は全部自分で作ろう!」年明け1月の決断でした。幸い家具類を設計したのは自分自身ですので詳細は全て頭の中に入っています。材料は材木屋に図面を送り全てカットしてもらい、後はそれをひたすら現場で組み立てていきます。次に組みあがった箱を指定の場所に固定していきます。レーザー水平器を使ってレベルを出し、天井、壁、床にビスで固定していきます。家具の組立作業も中盤に差し掛かると釘を打つ音もリズミカルになり、何だか職人になった気分♪もともと実家は建具屋で、作業していく中で体の中の職人のDNAが覚醒したのでは!と感じる日々でした。

 

箱でいっぱいになったしまったリビング。作っては固定、作っては固定の連続でした。

 

IKEA製のバケットを利用して作ったウォークインクローゼットは自信作です!

 

とにかくひたすら作り続けた家具工事。1、2階合わせて14か所にものぼりました。組み上げた後の塗装ももちろん自分で行います。最終的な仕上げはこの箱に合わせて建具の職人が扉や引出しを取付けて完成となります。完成後のお写真はまた次の機会にご紹介したいと思いますが、手間のかかった分、既製品にはない温かみのある空間に仕上げる事が出来ました!そして最後は内装工事です。今回1階事務所と2階リビングは奮発して塗り壁仕上げとしました。もともと敷地は南東に視界がひらけていて、この家の特等席。この南東角に事務所とリビングを配置したので内装工事にも力が入ります。職人の流れるようなコテさばきで壁が瞬く間に仕上がっていきました。内装が仕上がると最後に照明器具を取り付けて完成となります。前回のベルズレターVol.26(1年前ですみません・・・涙)でも取り上げましたが、今回自宅という事で照明計画も試験的なプランを試みました。(失敗しても自己責任・・・笑)この辺も機会をみてまたご紹介したいと思います。さて何とか滑り込みセーフといった感じで完了検査を終え無事に引っ越しする事が出来ました。矢継ぎ早にこの1年(新築工事)を振り返ってみましたがいかがだったでしょうか。「仕事もしないで何やってんだ!」「自宅だからって力入れすぎ!」と思われるかもしれませんが確かにその通りです。ただ「自分の住む家は自分で建てたい!」という今回の決断はただ好みの家を建てたいという事だけではありません。普段行っているリフォームという仕事はお家を部分的に手を加える作業です。全面的な改修工事もありますが、あくまで基礎や軸組は既存のままがほとんどです。この仕事を始めて20年近くなりますが、家づくり全てが分かっているかと自問自答すると、分かっているつもりで断片的な理解でしか無い事に気が付きます。今までその分からない点は都度大工や職人に確認して対応してきました。今回の新築工事、上棟前の土地の造成から全ての工程においてしつこく首を突っ込んで対応してきました。(現場監督だけでは物足りず、自ら足場にのぼって作業まで!)その結果、今まで断片的だった知識、点と点が一つの線となり建物全体の理解をより一層深める事が出来ました。「大変な事になるがとことんやってやろう!」と決断してから早1年、思い返せば予想以上に大変でつらい場面も多々ありました。大好きなサーフィンも去年の夏からやっていません。白髪も急に増えました。何だか自虐ネタになってきましたが・・・笑 ただそれ以上に得るものがたくさんありました。あとは今回得た知識と経験を皆様にお伝えしてこれからの仕事に役立てるだけです!

 

建物全体のアクセントにもなっている南東角の出窓部分。目の前の通りのポールポジションです!

 

さてとりあえず建物が完成して引っ越しを終える事は出来ましたが、外構工事が残っています。敷地内に植栽を植えたり、駐車スペースの整備をしたりと。建物のまわりに緑が配置されると雰囲気がグッと良くなるのであともうひと踏ん張りです。今月末から着工予定ですので完全な完成は梅雨明け以降となりそうです。元号が令和元年という事ですが、「新生ベルズ元年」でもあります。日本にとっても、ベルズにとっても新しい時代の幕開けです!さぁ~心機一転頑張るぞー!!!

 

 

 

 

 

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