耐震基準

投稿日:2016年05月07日

4月14日と16日に起こった熊本の大地震。
今もなお地震活動が続いておりますが、
この一連の地震で犠牲になった方々の状況を分析したところ、
7割超えの方々が家屋の倒壊で亡くなり、
更にそのうち半数超えの方々がいた家屋が
耐震基準が厳しくなる1981年(昭和56年)
以前に建てられた事も判明しました。

そもそも我が国の耐震基準は建築基準法に定められていますが、
1981年にそれまでの地震被害の経験などに基づいて大きく改正され、
これを新耐震基準と呼んでいます。

1995年に発生した阪神・淡路大震災では、
地震による犠牲者のうち約9割が家屋の倒壊によるもので、
そのほとんどは古い基準により設計された建物で、
新耐震基準の建物の倒壊はほとんどありませんでした。

これ以降、古い建物については、
新耐震基準と同等の耐震性能を持たせる為に
耐震補強を行う必要性が強く認識されるようになりました。

2011年の東日本大震災でも、
新耐震基準の建物の倒壊はほとんど無く、
大きな被害は古い建物に集中しました。

さて新耐震基準の要求とは何でしょうか?
建築基準法で定められている耐震性能を簡単に言うと
●中地震(震度5程度)で損傷しない事。
●大地震(震度6程度)で大破、倒壊しない事。
の2点です。

つまり、新耐震基準の要求とは
「倒壊・崩壊せず人命が守られる」事だけを求めている最低基準で、
建物のひび割れ損傷を防ぐなど、
地震後も使い続けられる建物の基準ではないという事です。

耐震リフォームのご相談をさせていただく際、
よくお客様とこの認識のずれを感じますが、
最近では新築を検討される場合ですが、
これらを踏まえた上で地震後も使い続けられる強い家にしたい
という法律の最低限を上回るより高い耐震性能を求められる方々も多いようです。

ただ新築と違いリフォームは必ず既存部分が含まれます。
解体によって既存部分を丸裸の状態にし、
建物全体の状況が把握できればリフォーム後の耐震性能は
新築とほぼ変わらないレベルになりますが
実際なかなかそうはいきません。

通常のリフォームでは予算的にも圧倒的に部分的な工事が多いです。
ただそうした場合に、耐震性能向上が出来ないと諦めていては
地震による被害リスクは避けられません。

可能性は低くなっても、手を付けられるところを
意識的に補強するだけでも相応の効果は見込めます。
部分的なリフォームであっても耐震診断を参考に少しでも是正出来れば
(全体の耐震バランスを調整する必要はありますが)
少なくともリフォーム前よりは倒壊などの可能性が低くなるし
人命を少しでも守る事にもつながります。

一般的に信頼度の高い素人向けの簡単な自己耐震診断なら
一般財団法人日本建築防災協会の「誰でもできるわが家の耐震診断」があります。
この診断が対象としている住宅は、
1~2階建ての一戸建ての戸建木造住宅
(在来軸組工法、ツーバイフォ―工法)です。
上記の工法のお家にお住まいの方は是非ともお試しください。

診断はコチラから
2012-08-29_194955.jpg w=580&h=463

 

 

 

 

 

 

その結果、もし合計評点10点以下となりましたら
より専門的な「一般診断法」(自治体からの補助もあります)
を行う事をお勧めします。

弊社でも対応しておりますが、
「一般診断法」とは建築士などの建築関係者が
床下や天井裏の目視調査と図面により耐震性能を判定するものです。

更に詳しい診断が必要だと判断されたら目視調査だけでなく、
一部建物を壊して接合部分等の状況を確認するなど
より詳細に調査する「精密診断法」に進みます。

一般診断法で耐震性に問題が有ると判断した時点で
補強設計に進んでも構いませんが、
より効率的な工事を望む場合は精密診断法を行います。

さて耐震補強工事をする場所は普段見えない所がほとんどなので
部分的であっても壊しと復旧で二重の余分な費用が掛かります。
ですので単独の工事は出来るだけ避け、
何か別のリフォーム工事と一緒に行う方が費用面、工期面でも合理的です。

例えば水廻りリフォームに合わせて
腐朽、劣化した躯体の取替や防蟻措置をしたり
構造用合板による壁補強をしたり。

それには先程ご紹介しましたいずれかの方法で事前に耐震診断を行い、
既存部分のどこにどの程度手を加えなければいけないか
確認しておく必要がありますよね。

さていかがだったでしょうか?
ちょっと長くなりましたが、今回は耐震基準の考え方と
診断から工事までの流れ簡単にをご紹介しました。

地震大国日本で暮らす中で、
住いを強くすることが命を守る事だという事を再確認したいですね。